地質学雑誌
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關東地方洪積統産の二, 三の軟體動物 (摘要)
大炊御門 經輝
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1935 年 42 巻 504 号 p. 597-600

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抄録

英文欄に記載した四種の中 Mysella paula (A., ADAMS) は鈴木, 高井兩學士に依る千葉縣多古町附近の洪積層からの報告があり, Nassarius gemmulatus (LAMARCK) は神奈川縣長井町大木根から鈴木學士に依つて報告されてゐるが, 他の二種 Mactra dolabrata REEVE 及びSearlesia simosenses n., sp., は未だ關東地方の洪積層から知られてゐなかつた。Searlesia simosensis は S., fuscolabiata (SMITH) に比べて螺層はあまり脹れず, 殻口は狭い。S., hokkaidonis (PILSBRY) に似てゐるが殻は該種のように細長くなく, 螺塔は低い。S., japonica YOKOYAMAは本種より殻が頑丈で, 螺状彫刻が一層顯著である。S., simosensisを除いた他の三種は何れも現生種で, 特に N., gemmulatus (LAMARCK) の分布は廣く珍しいものではないが, 關東地方の洪積層の化石では稀な方である。

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