地質学雑誌
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日本地質学会第121年学術大会(2014年・鹿児島)巡検案内書
九州西部に分布するジュラ紀付加体と海溝斜面堆積物
尾上 哲治西園 幸久
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2014 年 120 巻 Supplement 号 p. S1-S17

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抄録

九州西部の黒瀬川帯以南に分布する中・古生代の地層群は,1945年以降から精力的に層序・年代・地質構造について研究がなされ,日本列島形成史の研究に大きな影響を与えてきた.1970年代後半からは放散虫・コノドント化石年代が詳細に検討され,これらの地層群がジュラ紀の沈み込み-付加作用によって形成されたジュラ紀付加体であることが明らかになった.本巡検では,九州西部の球磨川沿いに分布する秩父・三宝山帯を対象として,この地帯を構成するジュラ紀付加体の起源と形成過程を議論する.秩父・三宝山帯の陸源砕屑岩類は,玄武岩・チャート・石灰岩などの雑多な岩相・年代の海洋性岩石を異地性・異時代の岩塊として含むことが知られている.本巡検では特に,これら海洋性岩石の付加以前の初生的な層序や付加過程について焦点をあてる.また,ジュラ紀付加体を被覆すると考えられる上部ジュラ系海溝斜面堆積物の岩相・層序についても観察する.

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© 2014 日本地質学会
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