地質学雑誌
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論説
朝地変成岩類に伴われる超マフィック岩類の鉱物化学組成とその意義
曽田 祐介高木 秀雄
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2004 年 110 巻 11 号 p. 698-714

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抄録

九州東部に分布する朝地変成岩類は, 下位から朝海ユニット, 超マフィック岩体, 日方ユニットで構成されており, 超マフィック岩体は, 蛇紋岩と単斜輝石岩類で構成されている. 蛇紋岩中のクロムスピネル化学組成は高いCr/(Cr+Al), 低いTiO2で特徴づけられ, 蛇紋岩の原岩であるかんらん岩が枯渇していたことを示す. 単斜輝石岩類は沈み込み帯で形成された集積岩と考えられる. 周辺地域の三波川帯佐賀関半島の超マフィック岩類は比較的未分化なマグマからの集積岩であり, 佐志生断層沿いの岩石は枯渇したかんらん岩起源である. 黒瀬川帯三重町—臼杵地域の超マフィック岩類には枯渇したかんらん岩起源のものがある. 朝地と黒瀬川帯の超マフィック岩類は, 岩相や鉱物化学組成と貫入接合年代に類似点がある.

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© 2004 日本地質学会
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