走査型レーザー顕微鏡(laser scanning microscope, LSM)によって岩石組織をデジタル画像として直接読み取り,定量的に解析する方法を報告する.LSMはレーザーを光源とする走査型の光学顕微鏡である.レーザー光の指向性と,これを利用した共焦点法によって,解像度のよい鮮明な画像が得られることに加え,試料の深さ方向にも解像度をもっという利点がある.LSMを用いた表面形状解析では,結晶粒界を鮮明に可視化することができる.岩石鉱物の観察のため,偏光フィルターを挿入して単ニコル・直交ニコル像の取得を可能にした.光源にはKr-Arレーザー(青・緑・赤の3波長同時発振)を備えており,カラー画像の取得や分光顕微鏡としての様々な応用が可能である.得られたデジタル顕微鏡画像を用いて鉱物の光学的性質の画像解析や,特定鉱物のマッピングなどの画像処理を行った.