高レベル放射性廃棄物の地層処分では、閉鎖後の処分システムの安全性評価の対象期間は数十万年を超えるとされるが、そのような長期の安全性をいかに示すのか、いかなる基準を設け規制を課すべきなのかが大きな問題となっている。特に日本は地震や火山活動が活発な変動帯にあり、安全性評価に必要な地質学的課題は多岐に及ぶ。この論文では、火山活動の噴火履歴の解析結果を例にして、一つの出来事がプロセスを経て次々に出来事を誘発するという一連の事象(シナリオ)に基づく課題の抽出と地質事象の成因に踏み込んだ長期の将来予測の方法論を提示した。