応用地質
Online ISSN : 1884-0973
Print ISSN : 0286-7737
ISSN-L : 0286-7737
山口県中東部, 徳佐-地福断層と迫田-生雲断層の性状および活動性
佐川 厚志相山 光太郎金折 裕司田中 竹延
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 49 巻 2 号 p. 78-93

詳細
抄録

徳佐-地福断層北東部と迫田-生雲断層中部の性状および活動性を明らかにする目的で, 地形判読, 断層露頭調査, トレンチおよびボーリング調査を実施した. 徳佐-地福断層北東部のトレンチ調査に基づくと, 断層の最新活動時期は10,800~3,400年前となる. 既存のトレンチ調査での14C年代値を再検討した結果, 断層全域 (長さ約35km) が6,300~5,200年前に同時に活動した可能性が出てきた. 一方, 1997年山口県北部の地震 (Mj6.6) の震央から南西約10kmで実施した迫田-生雲断層中部のトレンチ調査により, 断層の最新活動時期は14,500~8,500年前と見積もられた.
これらの最新活動時期と既存の研究からのデータを組み合わせると, 迫田-生雲断層から徳佐-地福断層を経て, その南西に隣接する大原湖-弥畝山西断層系を構成する木戸山西方断層へと, 断層活動がマイグレーションする傾向が認められた.

著者関連情報
© 日本応用地質学会
前の記事 次の記事
feedback
Top