2008 年 44 巻 2 号 p. 92-99
本研究は, ウェブページ評価時の利用者の視行動を, ウェブページスキーマの観点から明らかにすることを目的として実施された. ウェブページスキーマとは, あるコンテクストにおいて“どの情報を利用すると有益か”というウェブページ上での“情報の特徴に関する知識 (機能スキーマ)”と“有益と思われる情報はここにあるはずだ”というウェブページ上の“情報の位置に関する知識 (位置スキーマ)”であり, 従来の研究では考慮されてこなかった. 高頻度利用者8名, 低頻度利用者8名が, 3サイト (ニュース, ポータル, 企業), 各6ページ (コンテンツ, ナビゲーション, 広告の各機能を左, 中央, 右の各位置に配置) の利用性評価を行い, その間の視行動を記録した. 総注視点数を領域 (機能, 位置) で比較した結果, 利用経験にかかわらず, 利用目的やコンテクストが明確なサイトでは機能に基づいて, そうでないサイトでは位置に基づいてページを評価していることが示された.