整形外科と災害外科
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タコ咬傷による難治性潰瘍を形成した3例
島袋 晃一金城 政樹白瀬 統星大中 敬子仲宗根 素子大久保 宏貴赤嶺 良幸西田 康太郎
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2023 年 72 巻 1 号 p. 112-114

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抄録

【症例1】17歳,男性.右手背部をタコに咬まれ受傷し,周囲の発赤や腫脹を認めた.潰瘍の進行があり,受傷後17日目にデブリドマン,約30mmの皮膚欠損に対して局所皮弁を行った.【症例2】40歳,男性.右前腕をタコに咬まれ受傷した.抗生剤,ステロイドで治療するも潰瘍化は進行した.受傷後19日目と34日目にデブリドマン,12mmの皮膚欠損を縫縮した.【症例3】22歳,女性.右前腕部をタコに咬まれ受傷し,MRIで皮下膿瘍を認め受傷後8日目に切開排膿を行い,25日目に追加でデブリドマンを行い約10mmの皮膚欠損は40日目で自然閉鎖した.【まとめ】タコ咬傷は海洋生物による咬傷で,かつ唾液中に毒を含有するため咬傷は小さくても潰瘍が拡大し治癒に時間がかかることがある.今回,進行する壊死は3例とも受傷後2~3週まで拡大し,数回のデブリドマンの後に創の大きさに合わせ被覆手技を選択して創閉鎖となった.

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© 2023 西日本整形・災害外科学会
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