ジオシンセティックス論文集
Online ISSN : 1883-146X
Print ISSN : 1344-6193
ISSN-L : 1344-6193
論文
マルチドレーン真空脱水法による閉鎖性水域底泥の脱水・浄化システムの開発
梅崎 健夫河村 隆河野 剛志河崎 彰野村 忠明細野 武久境 大学
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 22 巻 p. 177-184

詳細
抄録

マルチドレーン真空脱水法は,プラスチックボードドレーンと真空ポンプを用いた簡単な方法により,泥水状の底泥を2~3時間でダンプトラックにより運搬可能な状態まで脱水させるものである.本文では,本手法による閉鎖性水域底泥の脱水・浄化システムを新たに提案する.湖沼,港湾,干潟より採取した16種類の底泥に対する脱水実験の結果に基づいて,本手法による脱水減容化は十分に実用可能であることを示した.また,浄化剤に天然ゼオライトを用いて諏訪湖底泥に対する脱水・浄化実験を実施し,全窒素および全リンの溶出量をそれぞれ抑制できることを示した.すなわち,提案したシステムは脱水・浄化システムとして有効であり,脱水後の土を水底に還元することによりゼロエミッションが達成され,底泥の減容化,巻上げ対策および全窒素・全リンの溶出量抑制等の効果が期待される.

著者関連情報
© 2007 国際ジオシンセティックス学会 日本支部
前の記事 次の記事
feedback
Top