日本心臓血管外科学会雑誌
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パルス式色素希釈法による心拍出量, 循環血液量測定精度ならびに開心術後管理
浜田 良宏山本 哲也中田 達広加洲 保明渡部 祐司吉川 浩之河内 寛治
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2000 年 29 巻 3 号 p. 156-160

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抄録

パルス式色素希釈法にて心拍出量, 循環血液量 (BV) を測定できるDDG-2001を使用し, 術前後に心係数 (CI), BVを測定し, その精度を検定した. さらに術後管理における意義について検討した. 開心術14例を対象に, DDG-2001により, 人工心肺前, 手術終了直後, 4時間後, 12時間後にCI, BVを測定した. CIは熱希釈法と比較し, BVは人工心肺開始前後に測定したヘモグロビン値と充填量から計算した値と比較した. CI; 相関係数0.77, 回帰直線の傾き0.849, BV; 相関係数0.821, 傾きは0.844であった. 手術終了時BVは低下していたが, 4時間後, 12時間後BVは増加した. しかし, 体液バランスは負であった. パルス式色素希釈法によるCI, BVは他の方法による値と良好な相関があった. 術直後BVは低下しており, その後, 体液バランスは負であったが, BVは増加した.

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