2016 年 45 巻 p. 105-108
【目的】感覚性斜視の手術成績を検討した。
【対象と方法】対象は2000年から2014年までに当科で感覚性斜視に対して手術を行った 35例で、男性18例、女性17例、年齢は12~86歳(平均33.0±17.5歳)であった。これらを対象に、臨床的特徴と手術成績を検討した。
【結果】原因は先天性13例、後天性20例、不明2例であった。患眼の視力は0.2~0.1が7例、0.09~0.01が13例、指数弁~光覚ありが8例、光覚なしが7例であった。斜視の内訳は外斜視が32例、内斜視が3例であった。手術は全例患眼に対して行い、初回術式は外斜視では前後転術が21例、後転術が11例、内斜視では前後転術が2例、後転術が1例であった。外斜視では術前斜視角 -14~-85⊿(平均 -46.1±16.8⊿)が、術後 +12~-45⊿(平均-14.9±12.1⊿)、内斜視では術前斜視角 +25~+95⊿(平均 +63.3±29.0⊿)が、術後 +10~+45⊿(平均 +22.3±16.0⊿)に改善が得られた。最終観察時、すべての症例で整容的満足が得られた。
【結論】感覚性斜視に対する斜視手術は、既報と同様に整容的な改善が得られ有用である。