第四紀研究
Online ISSN : 1881-8129
Print ISSN : 0418-2642
ISSN-L : 0418-2642
三浦半島南部,宮田累層より産出する貝化石群集とそのESR年代
豊田 博司奥村 清
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 39 巻 6 号 p. 559-568

詳細
抄録

神奈川県の東南部,三浦半島の南部に分布する中部更新統の海成層は宮田累層と呼ばれ,軟体動物化石を多産する.これらの軟体動物化石について再検討を行い,従来報告されていなかった種Stenotis cariniferus, Ennucula tenuis, Amaea ojiensis, Syrnola cinnamoneaなどが新たに確認された.さらに,ESR (Electron Spin Resonance)年代測定を行った結果,津久井浜部層産のGlycymeris yessoensisについては513±60ka,鹿穴部層産のFelaniella ustaについては325±40kaの年代を得た.これらの宮田累層の年代および貝化石群集の特徴から,フィッショントラック年代および貝化石群集の特徴が明らかになっている地層と比較すると,宮田累層は房総半島下総層群中の地蔵堂層から薮層に対比できる.

著者関連情報
© 日本第四紀学会
前の記事 次の記事
feedback
Top