日本乳酸菌学会誌
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総説
CRISPR/Cas システム: 微生物における新規機能とゲノム編集適用例
相川 知宏丸山 史人中川 一路
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2015 年 26 巻 1 号 p. 14-21

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抄録

CRISPR/Cas システムは真正細菌および古細菌に広く保存され、外来性遺伝子の一部を自身の染色体に取り込み記憶することで、同一の外来性遺伝子が再度侵入した場合には、これらを分解・排除する獲得免疫機構として機能する。最近では、獲得免疫機構としてだけでなく、細菌の毒性や病原性に関与していること、様々な環境下での細菌の生存や進化においても重要な役割を担っていることが明らかになりつつある。本総説においては近年の我々の研究成果を交え、最新の研究トピック、特に細菌の生存戦略におけるCRISPR/Cas システムの役割を概説する。また、優れたゲノム編集技術としてのCRISPR/Cas システムの適用例を簡単ではあるが紹介したい。

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© 2015 日本乳酸菌学会
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