1997 年 70 巻 8 号 p. 503-508
懸濁重合によってポリマーとマグネタイトとの複合体粒子を調製した。その際, マグネタイト粉末の液液系に対する親和性を調節するために, シランカップリング剤により表面処理を行った。重合開始後, ポリマー滴の合一を抑制するためにポリビニルアルコール (PVA) を添加した。
親油性の強いマグネタイトを添加した場合にはポリマー滴間の合一が起こり, 結果としてマグネタイトがポリマー粒子内部に分散した内部分散型の複合体粒子が生成した。PVA添加が早い場合には, 合一が抑制され, 結果としてマグネタイトがポリマー粒子を均一に被覆した被覆型複合体粒子が生成した。
これらのことから, PVAの添加時期を調節することにより, 複合体粒子の構造を制御できることが明らかとなった。