日本東洋医学雑誌
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臨床報告
解労散が奏効した喉頭肉芽腫の一例
関矢 信康並木 隆雄笠原 裕司大川 徹地野 充時大野 賢二平崎 能郎寺澤 捷年
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2008 年 59 巻 2 号 p. 297-301

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抄録

喉頭肉芽腫は声帯後部に生じる非特異性肉芽腫性病変で発症要因が多岐にわたるとともに確立された治療方針がないことから,再発例が多く治療に難渋する疾患とされている。西洋医学的治療に抵抗性で再発を繰り返した特発性喉頭肉芽腫に解労散が奏効した一例を経験した。症例は30歳,男性。外科的切除後に再発し,再度の外科的切除とレーザー焼灼およびプロトンポンプ・インヒビター,トラニラスト内服,マクロライド少量持続内服療法,ステロイド吸入などが施行されたが再発し漢方治療を併用した。半夏厚朴湯,柴芍六君子湯および桂姜棗草黄辛附湯では肉芽腫には変化ないため解労散に転方し,その3週間後には肉芽腫は内視鏡にて消失が確認され,その後の再発はない。本症例の経験から倦怠感,体重減少,両側胸脇苦満,両側腹直筋緊張,臍上悸・臍下悸,上腹部を中心とした鼓音の存在などが解労散の使用目標となりうる可能性が示唆された。

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© 2008 一般社団法人 日本東洋医学会
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