日本集中治療医学会雑誌
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症例報告
食道癌術後再建胃管潰瘍の心膜穿通をきたした1例
中内 祥文谷口 貢宮村 有紀子林 孝浩宮崎 俊一
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2007 年 14 巻 4 号 p. 599-602

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抄録

患者は72歳, 男性。2002年に食道扁平上皮癌にて胸骨後胃管再建術を施行された。2006年4月上旬より食事摂取時の胸部不快感が出現, 4月下旬より動悸, 呼吸困難が出現したため3日後に当院を受診した。来院時, るいそう著明で低血圧, 洞性頻脈, 低Na血症を認め, 入院8時間後にショック状態となった。その後AST, ALT, LDH, CKが上昇し, 代謝性アシドーシスが進行した。胸部CTにて両側胸水, 心嚢内に少量のガス像を認めた。アシドーシスの補正, 昇圧薬投与を行ったが, 入院より45時間後に死亡した。剖検にて胃管背側潰瘍が心膜に穿通し, 化膿性心外膜炎をきたしていた。また, 腸管は虚血性変化を呈していた。潰瘍は長径4cmで食道癌の再発は認めなかった。再建胃管潰瘍の穿通は致命的な合併症となるため, 食道癌術後の患者で胸痛や胸部違和感を訴える症例では胃管の病変も考慮し, 早期発見し, 治療する必要がある。

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© 2007 日本集中治療医学会
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