2006 年 59 巻 10 号 p. 857-862
大腸癌フォローアップ研究会参加16施設のStageI大腸癌1,599例を対象とした.StageI大腸癌の5年生存率は,92.5%で予後良好な群である.再発率は全体で4.8%,sm結腸癌で0.8%と低く,結腸mp癌4.9%,直腸sm癌4.1%,直腸mp癌9.6%で,再発危険因子は,占居部位直腸,深達度mpであった.再発時期は,3年以内が68%,5年以内は92%で,Stage II,IIIと比較すると遅い傾向を認めた.結腸癌では約75%が肝再発であり,直腸癌では局所再発が約40%を占め,肝・肺再発と続いた.再発巣治癒切除後の5年生存率は60%であり,再発巣非治癒切除例および非手術施行例と比較して,有意な予後の改善を認めた.大腸癌術後再発は,治癒切除が可能な段階で発見することで比較的良好な予後が期待できる.そのため効率的なフォローアップの必要性がある.StageIの再発の特徴を検討し,適切なフォローアップ法について解説する.