日本大腸肛門病学会雑誌
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一般住民における便通,便硬度と食品,嗜好品摂取との関連性
中路 重之坂本 十一菅原 和夫長内 剛菊池 弘美田村 研村上 秀樹岩根 覚棟方 昭博吉田 豊
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キーワード: 便秘, 下痢, 便通, 便硬度, 食生活
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1993 年 46 巻 3 号 p. 225-239

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抄録

岩手県の一農村で便通,便性状と食品・嗜好品摂取状況との関連性を検討した,排便回数は,男性の88%が1目1回以上で女性の75%より有意に多かった.また男性は加齢とともに排便回数が少なくなる傾向にあった.自覚的便通では女性の便秘を自覚する割合が36%で男性の2倍であった.自覚的便の性状では女性で「兎糞」が11%と男性の4%より有意に多かった.便硬度は男女とも加齢とともに高くなり,さらに女性が男性より各年代とも有意に高い値を示した.一方,相対的便秘傾向に関する検討では,便通,便の性状に最も良好な影響を与える食品は米飯であった.またアルコールは全項目で相対危険度が1.0未満であったが,同時に下痢を助長する傾向が認められたため,便通,便の性状に良好な影響を与えるといえなかった.相対的下痢に対する相対危険度が全項目とも1.0未満であったのはつけものであった.

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