岩手県の一農村で便通,便性状と食品・嗜好品摂取状況との関連性を検討した,排便回数は,男性の88%が1目1回以上で女性の75%より有意に多かった.また男性は加齢とともに排便回数が少なくなる傾向にあった.自覚的便通では女性の便秘を自覚する割合が36%で男性の2倍であった.自覚的便の性状では女性で「兎糞」が11%と男性の4%より有意に多かった.便硬度は男女とも加齢とともに高くなり,さらに女性が男性より各年代とも有意に高い値を示した.一方,相対的便秘傾向に関する検討では,便通,便の性状に最も良好な影響を与える食品は米飯であった.またアルコールは全項目で相対危険度が1.0未満であったが,同時に下痢を助長する傾向が認められたため,便通,便の性状に良好な影響を与えるといえなかった.相対的下痢に対する相対危険度が全項目とも1.0未満であったのはつけものであった.