2016 年 65 巻 11 号 p. 441-450
ウラン燃料を製造する加工メーカでは,測定によるU-235量や濃縮度の定量が重要になる。本研究では,U-235から放出された186 keVのγ線の測定から評価したU-235の含有量は,U-238の不均一な分布を定量化した遮蔽因子Xgeometryで補正できることを示す。Xgeometryは,Pa-234 mから放出される1001 keVのγ線と,1001 keVに由来する散乱γ線を用いて定量化した。Xgeometryは,もともとU-238の測定のために導入した。U-235はU-238と共存するので,この因子は,U-235の測定値に適用することも可能である。模擬充填物や線源をセットしたドラム缶を用いた試験で,U-235の含有量及び濃縮の定量誤差は遮蔽因子を考慮することで低減することを実証した。