1999 年 48 巻 2 号 p. 100-106
塩素安定同位体組成 (δ37Cl, ‰vs.SMOC) を草津白根火山周辺の草津温泉地区 (3源泉) 万座温泉地区 (2源泉) および火口湖 (湯釜) から1984年に採取された6点の水試料について, 実験誤差0.12で測定した。その結果, これら試料の同位体比は-0.05から+0.20‰ (平均値+0.04‰) の範囲にあり, 海水の値にほぼ一致した。またδ37値は, 源泉湧出地点が約8km離れた2地区の間の地理的地質的違いや試料中の溶存化学成分比の明瞭な違いがあるにもかかわらず, 一定であることがわかった。