日本細菌学雑誌
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グラム陰性桿菌に分布する共通たんぱく抗原について
山口 博之田口 晴彦石山 業弘金森 政人緒方 幸雄
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1986 年 41 巻 4 号 p. 701-707

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抄録

Yersinia enterocoliticaVibrio choleraeに存在する共通たんぱく質抗原cross-reacting protein antigen (CRPA)が他の菌属種にも存在するか否かShigella sonnei, Proteus mirabilis, Salmonella enteritidis, Klebsiella pneumoniae, Serratia marcescens, Escherichia coli, Pseudomonas aeruginosa, Neisseria gonorrhoeaeおよびStaphylococcus aureusについて免疫電気泳動法により調べた。その結果,N. gonorrhoeaeS. aureusを除くグラム陰性9菌種にCRPAの存在が認められた。これら9菌種についてimmunoblotting法を行つた結果,各CRPAには主として60キロダルトンのたんぱく質が共通に存在しているとの示唆が得られた。確認のためにさらにV. choleraeおよびY. enterocoliticaよりCRPAを特に部分精製し,immunoblottingを行つた結果,60キロダルトンたんぱく質がそれぞれのCRPAの主要構成たんぱく質と判明し,またV. cholerae外膜たんぱく質とV. choleraeおよびY. enterocoliticaのCRPAとの異同について検討した結果,いずれのCRPAもV. cholerae外膜標品中には認められない成績を得た。

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