食品衛生学雑誌
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豚筋肉中残留動物用抗菌剤の微生物学的スクリーニングおよびLC-MS/MS同時測定法の開発
関村 光太郎 神田 真軌林 洋松島 陽子吉川 聡一大場 由実小池 裕林 もも香永野 智恵子大塚 健治橋本 常生笹本 剛生
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2020 年 61 巻 4 号 p. 109-118

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抄録

豚筋肉中動物用抗菌剤の一斉分析法として微生物学的スクリーニングとLC-MS/MSによる同定・定量を同時に可能となるように改良した.前処理は豚筋肉を1回目はマキルベン緩衝液(pH 6.0)で抽出し,PLS-3で精製した.2回目はアセトニトリルで抽出し,その抽出溶液を用いてPLS-3に保持させた薬剤を溶出した.微生物学的測定では新たな試験菌を用い,かつ試験平板作製条件を変えた結果,高感度となり,33剤で残留基準値程度の検出が可能となった.また,偽陽性を示さなくなったことに加え,同一試験溶液を機器で測定できるようになったことにより,判定不可能な結果が生じない効率的なスクリーニングが可能となった.

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© 2020 公益社団法人 日本食品衛生学会
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