新潟県中越地震によって魚沼丘陵北部の旧山古志村を中心に多数の斜面崩壊が発生した。地震後に撮影した空中写真の判読を行った結果4,438の崩壊地を抽出した。崩壊地は, 震央に近い魚野川北側の東山丘陵に分布し, 芋川流域に沿う東側崩壊密集区域とその西方に位置する西側崩壊密集区域の2つの区域に集中していた。崩壊地の地質は, 新第三紀層の砂岩・泥岩・シルト岩の層で北北東-南南西方向の帯状の分布と同方向の背斜軸や向斜軸を有し, 大規模な崩壊は地層が傾斜方向へ滑落する流れ盤型の崩壊となる傾向がみられた。斜面崩壊の発生要因として, 直下型の激しい地震動, 軟弱な地質と地質構造, 地すべり地や河岸段丘などの崩壊しやすい不安定な地形の存在が推定された。