焦点距離の異なる複数の写真を用いての3次元化は,農業情報研究の分野でもたびたび必要となる技術である.本研究ではこの1例として細胞中の原形質糸の3次元配向画像を表示する画像処理システムを構築した.本研究では,焦点深度が10μmずつ異なる4枚の子葉鞘細胞の顕微鏡写真を変化させた複数の顕微鏡写真から原形質糸を入力し,同じ原形質糸が多画面に連続して観察される場合を判断して,データを3次元で表現することを試みた.また,すでに得られている原形質流動データとの比較により,原形質流動が最も活発であるときに原形質糸は放射状に配置することが認められた.