日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
15年間継続した孤立性心房 (粗) 細動が洞調律に自然復帰した1症例
今鷹 耕二内藤 滋人世古 義規藤井 潤
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1992 年 29 巻 1 号 p. 59-64

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抄録

84歳, 男性. 69歳の老人検診にて心房細動を指摘されて来診. 血圧110/80mmHg, 心拍数150/min, 胸部X線上心胸比55%てあったが心雑音はなく, 孤立性心房細動と診断した. digitoxin を主体にその後15年間外来治療を続けたが, 心房粗動を示したことはあるものの61回記録した心電図は一貫して心房細動を示していた. この患者が84歳で digitoxin の休薬を契機に洞調律に復帰した. 洞調律時のMモード心エコーでは僧帽弁A波は三尖弁A波に比較して著しく小さく, 左心房機能は低下しているものと推測された.

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