日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
特異な病態を呈した孤立性線維性腫瘍の3例
髙橋 有毅宮島 正博辻脇 光洋多田 周槙 龍之輔渡辺 敦
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2019 年 33 巻 1 号 p. 37-41

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抄録

Solitary fibrous tumor(SFT)は,間葉系細胞由来の稀な腫瘍である.今回,特異な病態を呈した3例を経験した.症例1は76歳男性,右肺上葉中枢側に60 mm大の腫瘤影を認め,原発性肺癌の疑いで右上葉切除を行った.病理診断は肺原発SFTであった.症例2は46歳女性,右下葉肺原発悪性SFTに対する下葉切除術後4年目に右中葉肺転移,胸膜播種をきたした.このため中葉切除と胸膜播種巣切除術,胸腔内化学療法を行った.その後,再発し初回手術から77ヵ月後に原病死した.症例3は63歳女性,CTで右胸腔に190 mm大の一部石灰化と血管新生を伴う巨大な腫瘤を認め,Chronic Expanding Hematomaの疑いで手術目的に当科紹介となった.術中出血低減目的に肋間動脈,内胸動脈塞栓術を施行した後手術を行い,病理診断はSFTであった.

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