2016 年 30 巻 6 号 p. 669-679
目的:悪性胸膜中皮腫の切除予後因子として,慢性炎症を基礎とした予後因子スコアである,GPS,modified GPS,NLR,PLR,LMR,PI,PNIの有用性を検討した.対象:手術を施行した44例を後ろ向きに検討した.結果:全生存期間の検討では,多変量解析で,ECOG PS,臨床病期,GPS,NLR,LMR,PI,CALGBが予後因子であった.NLRが6ヵ月,12ヵ月,24ヵ月において他の予後因子と比較して高いAUC値であった.無再発生存期間の検討では,ECOG PS,臨床病期,NLR,LMRが予後因子であった.結論:NLRはMPM切除予後因子として重要な指標と考えられた.