水環境学会誌
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原著論文
Fe2+/HOCl反応系を利用した電解促進酸化処理に及ぼす各種運転操作因子の影響
北村 拓也岸本 直之大倉 誠大津 秀緒
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2011 年 34 巻 6 号 p. 81-87

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抄録

過酸化水素を次亜塩素酸に置き換えたFenton型反応を用いる電解促進酸化処理の運転操作条件を検討した。本処理法では塩化物イオン(Cl-)のアノード酸化により次亜塩素酸を供給するとともに,鉄(III)イオン(Fe3+)のカソード還元により鉄(II)イオン(Fe2+)を供給することが可能となる。OHラジカルプローブには1,4-ジオキサンを用いた。その結果,pH 3.0以下,電流密度2.8 mA・cm-2以下,Cl-濃度10~200 mM,Fe2+濃度1.0~4.0 mMの条件下において比較的高い電流効率を観測した。また初期に投入する鉄イオン形態はFe2+よりもFe3+の方が効果的であり,その原因として過剰に存在するFe2+がラジカルスカベンジャーとして働くことが考えられた。初期にFe3+を1 mM投入し,pH 2.5,電流密度2.8 mA・cm-2,Cl-濃度100 mMとしたときの電流効率は74.2%であった。

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© 2011 公益社団法人 日本水環境学会
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