2001 年 2 巻 p. 29-36
CoMFA法をはじめとする多くの3D-QSAR手法では、解析に用いるそれぞれの化合物を実際の活性発現に近い位置となるようにあらかじめ重ね合わせておくことが要求される。このことは3D-QSAR解析の成否に大きな影響を与えるため、非常に重要である。そこで本論文ではHopfield Neural networks (HNN)を用いた新しい分子構造重ね合わせ手法を提案する。2つの分子構造上に疎水性 (Hydrophobic), 水素結合供与 (Hydrogen-bonding donor), 水素結合受容 (Hydrogen-bonding acceptor), 水素結合供与/受容 (Hydrogen-bonding donor/acceptor)の4種類のプロパティを定義し、HNNを用いてこれらの対応付けを調べ重ね合わせ候補を出力する。Protein Data Bankより引用した12組の酵素阻害剤について重ね合わせ実験を行い、X線結晶構造解析による結果と比較することにより本手法の有効性を検証した。