Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
ISSN-L : 1880-5302
症例報告
フェンタニル貼付剤からのオピオイドローテーション,投与量の検討
谷村 紀代子野村 浩英藤井 一美恩田 誠二光信 正夫
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2010 年 5 巻 1 号 p. 301-307

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抄録

【目的】フェンタニル貼付剤(FP)からオピオイドローテーション(OR)を行い, 換算量より少ない投与量で除痛した(経口モルヒネ: フェンタニル=100: 1). そこで, FPからORする場合の投与量について検討した.【方法】FPからORを行った症例のオピオイド投与量について後向きに調査した.【結果】対象となった14症例のOR後の平均投与量は換算量の76%であった. 11症例(79%)で換算量より少なく, 換算量より多かった症例は3症例(21%)のみであった. FPの投与量が75μg/hr以下である症例(n=5)では, OR後の投与量が換算量の101%であるのに対し, FP 75μg/hrを超える症例(n=9)では63%であった.【結論】がん性疼痛に対しFP 75μg/hrを超えても除痛できない症例はORを考える必要があり, その投与量は約60%に減量して開始するのが安全であると考える. もちろん減量しても痛みの変動に注意し, レスキューを用意し, 退薬症状にも注意が必要である. Palliat Care Res 2010; 5(1): 301-307

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© 2010 日本緩和医療学会
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