2016 年 9 巻 p. 137-147
子育てのストレスは、乳幼児期のみでなく、子どもが児童期や思春期になっても続くものである。子育ての相談相手としてスクールカウンセラー(CS)は身近な専門職であり、その存在の周知は広まりつつあるが、親の利用率は決して高くない。そこで、母親300 名を対象にどのような種類の悩みの際に SC に援助要請するのか、またSC への援助要請を規定する要因としてSC 利用イメージ、SC イメージ、SC 利用経験がどのように関連するのかを明らかにした。その結果、子育ての相談は夫とママ友に相談 することが多く、SC への援助要請は日常生活の困り事ではなく学校のいじめや父子関係、サッカーコーチとのトラブルなどが挙がった。またSC への援助要請は、SC 親和イメージが関連しており、いかにSC 自身の人となりを周知させるかが重要であることが明らかになった。