西日本皮膚科
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統計
アトピー性皮膚炎患者はかゆみをどう感じているか?
―九州大学病院皮膚科におけるアンケート調査―
大場 純奈竹内 聡城戸 真希子蜂須賀 淳一細川 知聡大日 輝記古江 増隆
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2009 年 71 巻 2 号 p. 180-185

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抄録

アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)にかゆみは必発の症状であり,引き続きおこる掻破行動は皮疹の形成,増悪に大きく寄与する。日常生活において患者がどのような時にかゆみを感じ,どのように対処するかについて知ることはADの診療・患者指導を行う上で大変有用と思われる。今回我々は,2005年11月から2007年1月にかけて九州大学病院皮膚科外来を受診したAD患者49名において,日常生活におけるかゆみについてのアンケート調査を行った。かゆみが増悪する主な要因としては発汗や衣類の素材,精神活動の状態などがあった。治療薬の抗かゆみ効果についてはステロイド外用薬,保湿薬がやや速効性に優れ,プロトピック®軟膏,抗ヒスタミン作用薬の効果発現は比較的緩徐であった。その他のアンケート結果も含め過去の報告とともに考察する。

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© 2009 日本皮膚科学会西部支部
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