1986 年 28 巻 3 号 p. 855-862
今回, 平滑にしたヒト乾燥抜去歯象牙質片とエポキシ樹脂製のスケーリングテスターを® 試料とし, スケーラーの作業能率即ち切削量とストロークとの関係を一定条件下で定量的に検索することにより, スケーラー刃部の鋭さの転換点, 換言すると一定の側方圧下において何ストローク位でスケーラーが切れなくなるのかという点について測定した。その結果, 1) 試料がスケーリングテスターで® l ateral pressure 500gの場合, 40ストローク前後で刃の鋭さの転換点が見られ, 2) 試料が象牙質片でlateral pressure 750gの場合, 50から60ストロークで鋭さの転換点が見られ, 3) 試料が象牙質片でlateral pressure 500gの場合, 50ストローク前後で鋭さの転換点が見られ, 4) 試料が象牙質片で1ateralpressure250gの場合, この条件においては刃の鋭さの変化は緩徐なもので鋭さの転換点は見られなかった。