環境システム研究論文集
Online ISSN : 1884-8125
Print ISSN : 1345-9597
ISSN-L : 1345-9597
次世代の天気予報モデルWRFへの都市キャノピーモデルの導入効果
日下 博幸Fei CHENMukul TEWARI平口 博丸
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 33 巻 p. 159-164

詳細
抄録

次世代の天気予報モデルWRFが米国大気研究センター, 米国環境予測センター, 米国海洋大気庁予報システム研究所などによって開発されている. しかしながら, このモデルにおける都市の取り扱いはまだ不十分である. 本研究では, Kusaka et al.(2001) によって開発され, Kusaka and Kimura (2004) によって改良された都市キャノピーモデルをWRFモデルに導入し, そのインパクトを評価した. 都市キャノピーモデルを導入した結果, モデル地表面は日没後も大気を暖めるようになった. これは, 都市キャノピーモデルを導入することによって, 従来から指摘されてきた都市気候の熱収支の特徴を, 領域気象モデルで定性的に表現できるようになりえることを意味している. また, 都市キャノピーモデルの導入が数値予報の精度を向上させる可能性を示唆するとともに, 夜間のヒートアイランドに対する都市のキャノピー効果の重要性も示唆している.

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top