越波対策として防波板が設置されている海岸覆道15箇所を対象として, その設計および施工実態を調査した. 使用材料としては, 越波流量が大きい条件では鉄筋コンクリート板が, 小さい条件では採光性を考慮してポリカーボネードやアラミド繊維シートが用いられていた. 次に2004年台風18号により鉄筋コンクリート製防波板が被災した国道229号神恵内村大森覆道の事例を分析した. この覆道は岩礁域に建設された消波護岸上に設置されていたが, 設計を上回る潮位と波浪により消波ブロックが散乱し, その後, 衝撃的な波力によってアンカーで固定されていた鉄筋コンクリート製防波板が倒壊した. 再現実験の結果, せん断耐力の約3倍に相当する波力の作用により被害が生じたことが明らかになった.