2017 年 73 巻 2 号 p. I_222-I_227
山形県酒田市から北西に約40kmの日本海に浮かぶ飛島は,想定地震が発生した際,約五分で巨大津波の来襲が予想されている.そこで本稿では,まず,島内の津波来襲予想地域において常時微動計測を高密度に実施し,得られた記録に基づき地盤震動特性を評価した.次に,評価した地盤震動特性とアスペリティモデルを組合せた強震波形計算を実施し,強震動作用中の避難困難時間を算定した.最後に,津波来襲時間と避難困難時間の関係性を踏まえて,強震動の作用が津波避難に及ぼす影響について言及した.