2019 年 75 巻 5 号 p. I_519-I_526
人口減少に伴い施設数が減少しており,特に地方都市ではその傾向が顕著である.そこで拠点に施設を集約しつつ,市町村を超えた拠点間で連携することで生活サービス水準を確保することが望まれている.拠点を維持するためには利用されることが重要であるが,拠点の利用実態は明らかになっていない.本研究は市町村内及び市町村を超えた広域の移動に着目し,拠点及び拠点間の利用実態を明らかにすることを目的とする.宇都宮都市圏を対象に分析した結果,1)全トリップの内,到着地が拠点の割合が約36.0%であること,2)拠点間移動の割合は約6.6%であること,3)買い物目的で2回以上の拠点間移動をする可能性は低いことがわかった.以上から現状の拠点とネットワークでは,拠点間連携を移動の観点からみると実際には多く移動されていないことが示唆された.