土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
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和文論文
列車脱線事故に関するリスクを考慮した軌道保守計画最適化モデルの構築と検証
三和 雅史大山 達雄
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2019 年 75 巻 1 号 p. 11-28

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抄録

 鉄道事業者では,列車の走行安全性及び乗り心地の確保のために,軌道狂い(軌道変位)を定期的に測定して管理値と照合し,必要に応じて保守するという管理を行っている.一方,脱線事故の際には,事故後の車両の挙動次第では,車両の構造物への衝突や転落等が生じると,被害規模が拡大する.よって,そうしたリスクが高い箇所を把握した上で,高リスク箇所には軌道狂いの監視や保守の優先度を上げる等の対応を行うことで,線区の安全性や信頼性を向上できると考えられる.そこで,本論文では,脱線事故の発生確率と事故時の被害リスクの推計法を提案し,これを考慮した軌道狂いの管理値や検査周期の設定法,軌道狂い保守箇所を選定するための検査・保守計画モデルを構築した.そして,実証分析により,本モデルの妥当性,適用可能性を検証した.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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