土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境システム研究論文集 第48巻
市民の環境配慮行動と地域への意識との関連とそれを規定しうる社会経済的状況 -47都道府県の比較による解析-
尾崎 則篤兼村 篤哉金田一 智規大橋 晶良
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2020 年 76 巻 6 号 p. II_375-II_383

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抄録

 市民の地域への意識が環境配慮意識や行動に影響を与えうるか,またその地域への意識が市民の社会経済的状況に影響されているのかを知ることを目的として各種基幹統計,既往の調査や研究で収集された47都道府県のデータを用いた重回帰分析によって解析した.地域への意識として7つの潜在因子を特定しそれらが環境配慮行動と相関しているかを検討した.環境配慮行動は都道府県ごとの違いがある程度以上顕著であった行動群を分類し代表的と見なしうる9つの行動を主たる対象とした.環境配慮行動は3つに大別されそのうちひとつの分類は環境配慮にかかわる特定の効果に限定されない価値観に裏付けられる行動群ではないかと考察され,またその行動群は地域への意識のうち「自然」「歴史・文化」への意識が高くなると実施率が高くなる傾向が得られた.またこの2つの地域への意識は社会経済的状況として居住の「移動性」の向上と「学歴」(大学進学率)の向上と共に低下する傾向であった.

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