2013 年 69 巻 7 号 p. III_301-III_306
有明海沿岸部における溶存態ケイ素(DSi)の陸域からの負荷量を把握することを目的に, 有明海流域に多くあり施肥によるSi供給と水稲によるDSi吸収の考えられる水田についてSi流入および流出負荷量を算出した. 調査は2面の水田CおよびDで行った. 水田CおよびDのSi流入負荷畳は71および44g/m2で, Si流出負荷量は100および40g/m2であった. 水田におけるSi流入負荷畳のほとんどが施肥によるもので, 流出負荷量のほとんどが水稲の吸収によるものであった. 水田Cの方がDより水稲のSi吸収量が多かったのは土壌の可給態ケイ素含有量が多かったためと考えられる. 流入水によるSi負荷量に対する流出水によるSi流出量は16-42%であることから, 流入するDSi量は減少して流出すると考えられる.