2012 年 68 巻 7 号 p. III_595-III_601
VOC(Volatile Organic Compounds)は, 大気中で気体状となる有機化合物であり, 人体や環境に悪影響を与える浮遊粒子状物質及び光化学オキシダントの原因物質の一つとして知られている. これらの対策として改正大気汚染防止法が施行され, 低濃度VOCの商品開発やVOC処理装置の導入が進められている. そこで, 本研究室が廃水処理装置として開発したDHS (Down-flow Hanging Sponge)リアクターのVOCガス処理への適応性を評価するため, VOCの1種であるトルエンガスを用いて連続処理実験を行った. 本実験範囲でのDHSリアクターの限界負荷は約13 g-C・m-3・hr-1であり, トルエンガス除去率は80%を達成した. この結果から, DHSリアクターはガス処理へ適応可能であることが明らかになった.