土木学会論文集E
Online ISSN : 1880-6066
ISSN-L : 1880-6066
和文論文
塩害環境下における鉄筋コンクリート構造物の耐久信頼性設計に関する基礎的研究
秋山 充良伊東 佑香鈴木 基行
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 62 巻 2 号 p. 385-401

詳細
抄録

 本研究は,コンクリート構造物の環境作用に対する性能照査を信頼性理論に基づく限界状態設計法の枠組みの中で実現することを目的とした基礎的研究である.特に沿岸部などの塩害環境下に着目し,塩分の飛来から鉄筋腐食が発生するまでのモデル化に介在する種々の不確定性について,観測・実験データをもとに評価し,耐用期間内に鉄筋腐食が生じる損傷確率を定量化した.次いで,損傷確率を Monte Carlo 法などにより算定することなく,要求レベルに漸近させるために必要な設計かぶりを評価する手法を提示した.これにより,塩害環境やコンクリートの品質に関わらず,鉄筋腐食に対してある一定の損傷確率を有する鉄筋コンクリート構造物の耐久設計が可能となることを示した.

著者関連情報
© 2006 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top