土木学会論文集D
Online ISSN : 1880-6058
ISSN-L : 1880-6058
和文論文
商店街における空き店舗の認知特性
戸田 鉄也平野 勝也
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 63 巻 3 号 p. 426-434

詳細
抄録

 本研究では,認知心理学における注意と記憶の理論的枠組みを援用し,商店街における空き店舗をはじめとした店舗の認知特性の解明を試みた.その結果,注意は主に色彩やコントラストが支配的要因であること,記憶の内容は店舗がもつ情報の量や複雑さが関係し,情報量が多く複雑で言語的な符号化が困難な店舗は画像的な符号化がなされ,情報量が少なく単純な空き店舗や住宅は言語的な符号化により記憶されていると推察されることが明らかになった.空き店舗については,「商店街」の文脈を逸脱した存在であるため注意を向けられ,言語的符号化の傾向が見られることから,「空き店舗」という言葉が持つ負のイメージが活性化されると考えられる.

著者関連情報
© 2007 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top