2005 年 2005 巻 804 号 p. 804_23-804_32
本研究では, 水温分布を利用した成層期における湖湾と主湖盆の水交換フラックスの計算に適用できる方法として等温面法を提案した. さらに, 琵琶湖北湖と塩津湾の汚濁移流機構の解明の例として, 夏の4回の48時間連続総合調査を行い, 水温, 流れ, 栄養塩の空間分布・時間変化のデータを得た. 等温面法で当該湾と主湖盆との水交換フラックス, 栄養塩の拡散を計算した. その等温面法による水交換の計算結果をADCP実測結果と比較し, 本法の妥当性を検証した. また, 本法の適用範囲は湖沼表水層の成層安定度指標である無次元数Wedderburn Numberで判断し, 主湖盆と湖湾のような閉鎖水域との間における水交換フラックスの計算へのこの方法の汎用性を検討した.