2001 年 2001 巻 685 号 p. 135-146
筆者らは, 地球温暖化対策による大気汚染物質の排出削減量を推計する副次的効果推計モデル (ALICE) を開発し, このモデルをある地方公共団体に適用した. その結果, 対策を講じることにより, 2010年で参照ケースより最大で23%の二酸化炭素 (CO2) 排出量が削減され, 副次的に窒素酸化物 (NOX) および粒子状物質 (PM) の排出量が11~12%削減されること, 鉄鋼業の自主行動計画やハイブリッド自動車の導入などが, CO2, NOXに対する顕著な排出削減効果を有すること, 交通部門においては温暖化対策を強化してCO2排出量を削減しても, PMでは同様の排出削減効果が得られないこと, などが明らかになった.