1998 年 1998 巻 603 号 p. 11-20
本研究は, 簡単な力学モデルを用いて吹き付けコンクリートのもつ力学的効果を地山との相互作用の観点から考察したものである. すなわち, 吹き付けコンクリートを剛体棒―回転ばね系に, 地山を反力バネにそれぞれ置き換えてモデル化し, 吹き付け厚さ, 被り高さ, 側圧係数, トンネル形状等を変化させながら吹き付けコンクリートの変形を数値解析し, 発生する応力がコンクリートの許容範囲に収まるような設計可能範囲を調べたものである. その結果, 吹き付けコンクリートが安定な支保として機能を発揮するには十分な地山からの反力が不可欠であることがわかった.