1996 年 1996 巻 530 号 p. 67-77
本研究は, 道路途絶時に利用される代替ルートの整備水準を評価する一手法を考案し, 実際の道路網への適用を行ったものである. 経路数や所要時間を要因とした代替ルートの評価指標として「経路代替性指数」を定義し, その実用的な計算アルゴリズムを提示した. 道路途絶への対応力を評価するという観点から, 都市間ごとに代替ルートがどの程度用意されているかをこの指数を用いて表現するとともに, どの道路リンクが途絶したときに都市間の連結に最も支障が生じるかを指摘できることを述べた. また新規の道路整備や通行止め区間の発生により, 道路網のネットワーク構成に変化が生じたときの代替ルートの整備水準の増減を調べ, 道路整備計画への適用性を検討している.