60歳代,女性.統合失調症による緊張病性昏迷状態に対し電気けいれん療法(ECT)を施行した.チオペンタールによるECTでは施行回数に伴いけいれん誘発が困難となった.レミフェンタニルを併用しチオペンタールを減量することでけいれんを誘発したが,さらに回数を重ねたところ,けいれんが生じなくなった.静脈麻酔薬をチオペンタールからケタミンに変更した.ケタミン単独投与によるECTでは,けいれんは誘発できたが精神状態が悪化した.レミフェンタニルを併用しケタミンを減量したところ,けいれんは生じ精神状態も良好となった.