日本臨床麻酔学会誌
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短報
けいれん誘発に難渋しレミフェンタニルを併用した電気けいれん療法(ECT)の1症例
村尾 浩平青木 宣篤嶽北 佳輝久保 古寿江阪本 幸世新宮 興
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2018 年 38 巻 7 号 p. 753-759

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抄録

60歳代,女性.統合失調症による緊張病性昏迷状態に対し電気けいれん療法(ECT)を施行した.チオペンタールによるECTでは施行回数に伴いけいれん誘発が困難となった.レミフェンタニルを併用しチオペンタールを減量することでけいれんを誘発したが,さらに回数を重ねたところ,けいれんが生じなくなった.静脈麻酔薬をチオペンタールからケタミンに変更した.ケタミン単独投与によるECTでは,けいれんは誘発できたが精神状態が悪化した.レミフェンタニルを併用しケタミンを減量したところ,けいれんは生じ精神状態も良好となった.

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© 2018 日本臨床麻酔学会
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