日本補綴歯科学会雑誌
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下顎両側遊離端部にインプラント治療を行い臼歯部咬合支持の確立をはかった症例
佐藤 琢也
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2005 年 49 巻 1 号 p. 97-100

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抄録

症例の概要: 患者は55歳女性で, 両側顎関節部の疼痛を訴え来院. 下顎の両側遊離端欠損部には可撤性義歯が作製されていたが, 患者は違和感により義歯を装着せず, 義歯の鈎歯である下顎小臼歯部は動揺していた. 同部にはインプラント治療を適応し, 大臼歯部咬合支持の確立を計った。
考察: インプラントによる咬合支持の確立後, 下顎小臼歯部の動揺に著明な改善が認められ, 顎関節症状は消失した. フォローアップ期間中にインプラントの生物学的, 力学的問題点はあらたに認められなかった.
結論: 本症例の経過により, 下顎遊離端欠損部にインプラント治療を行うことは臼歯部咬合支持の確立のみならず, 残存歯の保存においても有用であることが示唆された.

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