日本農村医学会雑誌
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血清こう質反応の栄養学的評価に関する研究
特にチモール混濁反応について
今木 雅英三好 保吉村 武
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1985 年 34 巻 2 号 p. 117-121

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抄録

徳島県の農漁村の健康な中老年 (30-69才) の住民287名 (男性96名, 女性191名) を対象に, 摂取栄養素量と肝機能検査で用いられている血清こう質反応の一つであるTTTと関係について疫学的な調査を実施し, 以下の結果を得た。
対象集団の栄養状態は, 熱量, 蛋白質, 脂質, 糖質の摂取量は比較的良好な集団である。
TTT値は女性は男性に比べていて有意に高い。又男女ともに加令に伴って上昇する傾向を認めた。
男性では, 中年層において糖質, 熱量, 植物性蛋白質, 老年層において動物性脂質, 熱量と有意な関係を認めた。女性では, 中年層において重相関係数は, 統計的に有意でなかった。しかし, 老年層においては, 動物性蛋白質, 植物性脂質と関連性が認められ, TTT値が, 肝機能検査の指標ぼかりでなく, 摂取栄養量と深く関係していることが認められた。

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